保険数理というロジックで、
妥当性を判断する。

小島 健一郎

統合リスク管理部 総合収支グループ(※取材当時)
2011年入社
(日本アクチュアリー会正会員)

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「私の未来」

経営コンサルタントのような感覚やスキルを併せ持つアクチュアリーへ。

私は、アクチュアリーコースとして採用されました。アクチュアリーは保険数理を駆使して将来の不確実性を分析評価し、保険料の設定や収支計算、リスク管理などを行うスペシャリストです。アクチュアリーとして認められるには、日本アクチュアリー会の「正会員」の資格を取得する必要があります。この資格の取得には高度な専門性が必要となり、取得には一定の年数を要します。ただし、当社のアクチュアリーは、全域型のうちの一つのコースであることからも分かるように、スペシャリストであると同時にゼネラリストであることが求められていると思っています。そのため、アクチュアリーとしての専門性を高めることは最低限の義務ですが、同時に幅広い知識の吸収や様々な経験を通して、将来的には経営コンサルタントのような感覚やスキルを併せ持つアクチュアリーになりたいと私は考えています。

ERM経営の
実現・高度化に向け尽力することが、
アクチュアリーのミッション。

年度および中期の収支計画策定に関する収支計算を行っています。数値の分析にリスク・リターンの観点を取り入れるなど、ERM経営の実現・高度化に向け尽力するのが、私たちアクチュアリーのミッションです。リスク管理部門としての第一の使命は通常の想定を超えて発現するリスクに対し、どれだけ資本が必要なのかを適切に見積もり、その資本を準備しておくこと。昨今はリスクが多様化しており、常にアンテナを張り巡らせておく必要があります。また、健全性の確保・収益性の向上の同時実現を目指すERM経営による企業価値向上が求められてきており、私たちの分析や評価のパフォーマンスや確度をさらに高めなければならない状況が生まれています。
アクチュアリーの仕事の醍醐味は、自分の算出した数値や作成した資料などが、中長期的な経営判断に直結すること。しかしながらどんなに正しい計算をしても、説明の仕方によってはミスリードしてしまう可能性があるため、自らのアウトプットが経営にどのようなインパクトを与えるのかを常に意識するようにしています。

語弊を恐れず言うなら、
「アクチュアリーなら損保業界へ!」

入社2年目に自賠責保険の収支見込を任されました。自賠責保険はノーロス・ノープロフィットの原則を確保するために複雑な収支計算が必要になり、実は会社の損益に大きな影響を与えます。最初は分からないことだらけでしたが、疑問点を他部門の担当者に聞いてまわり、理解を深めていきました。限られた時間の中で、緻密さを確保しつつ、ポイントを見極めて妥当性のある見込みを行うバランス感覚が身についたという意味で、私にとってこの任務こそが、その後のアクチュアリー活動の礎となっています。
アクチュアリーは、もともと生命保険会社を中心に発展してきたキャリアでしたが、私は個人的に損害保険会社のアクチュアリーとして働く方が面白いと思っています。なぜなら商品バリエーションが豊富で、その分、収支計算やリスク管理という仕事にも幅があり、そして独自の計算アプローチが活きる余地も大きく、飽きることがありません。語弊を恐れず言うなら、「アクチュアリーなら損保業界へ!」というのが、私の持論です。

絶妙なバランス感覚で
経営判断に役立つ正しい仕事を
全うするために。

リスク管理や収支計算という将来の不確実性を評価する仕事は、答えが簡単には見つからない、もしくは存在しないことがほとんどです。ベターを探求する仕事ゆえ、自分の分析や計算に対して常にクリティカルな視点を持ち、さらには周囲と議論し、認識を共有したうえで先へ進めることが重要だと考えています。また、アクチュアリーは、各部門との対話が重要です。私たちは各部門の収支見込みに対して、保険数理というロジックで、その妥当性を判断する立場にあり、「なぜ、この見込み数字なのか?」を徹底的に議論しながら、リアルな数字を導く、いわば経営コンサルのような存在。だからこそ私はゼネラリストとしてのスタンスを貫き、全社を俯瞰する眼を持ちながら現状を客観的に見極め、一方で理想とする未来を想定しつつ、絶妙なバランス感覚で経営判断に役立つ正しい仕事を全うすることを目指しているのです。

PROFILE

小島 健一郎

2011年の入社以来、統合リスク管理部に在籍。同じ部に長く所属しているが、リスク管理という幅が広い業務に携わり、年々多彩なテーマに挑みながら、ERM経営の実現・高度化をアクチュアリーとして支えている。また、毎年のようにアクチュアリーコースで採用された1年目社員が配属されるため、後輩への指導という役割も加わっている。

座右の銘
特にありません。強いて表現するなら「臨機応変」ということでしょうか。
どんな時でも、その局面、その局面でのベストを考え、行動するようにしています。
自分を一言で表すと
何事にも「楽観的」です。
一方で、リスク管理の業務においては、「…かもしれない」という感覚が求められることが多いため、楽観視は禁物です。
だから仕事においては改善すべき点ですが、
ときに楽観のスタンスがブレークスルーを生むこともあるので、臨機応変に行こう!と思います。
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